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作型別適品種の特性 | |||
●夏まき年内~冬どり | |||
この作型は国内のニンジン栽培においてもっとも大きな面積を占める作型です。また播種から収穫まで機械化が進み、経営が大型化している産地も少なくありません。そのようなニーズに対応するために、年内どりは「翔馬」、冬どりは「優馬」のリレー出荷をおすすめします。 2015年に新発表した「翔馬」は、肥大がよく、尻詰まりにすぐれる夏まき専用種です。発芽から初期生育が旺盛で作りやすく、エクボ症などの肩部障害や形状の乱れが少なくて秀品率が高いことや、根色は芯まで赤く肌ツヤがよいことが特徴です。葉は立性で葉軸もしっかりしているので機械収穫にも適しています。現在、千葉県、長崎県を中心に全国で導入が進み、概ねよい結果が得られています。播種時期は中間地では8月上旬、暖地では8月中下旬が適期です。 冬どりの「優馬」は地上部が強健で耐寒性にすぐれ、割れにくい緻密な肉質が特徴です。そのため年明けの機械収穫において能力を発揮します。特に降霜がきつく、葉の傷みやすい関東や熊本県菊陽町を中心に販売、推進しています。生育がじっくりしているので、遅まきしすぎると肥大不足の原因になります。播種時期は、中間地では8月上中旬、暖地では8月下旬~9月上旬が適期です。 |
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●トンネル春どり | |||
春どり栽培においては、抽苔と根部病害であるしみ症、最近では出荷後に黒ずむ変色などが問題になります。そこでタキイでは、「晩抽性・耐しみ症・耐変色」をキャッチフレーズに品種改良を行い、ようやく春のラインアップが整ってきました。 この作型は3~5月どりに「TCH-755」→5~6月どりに「TCH-711」→6~7月どりに「TCH-712」「向陽二号」のリレー栽培がおすすめです。収穫時期が雨などで適期に収穫できないことがあっても、安心して栽培いただけると思います 「TCH-755」は低温着色性にすぐれ、尻詰まりの早い春どり専用種です。暖地の10~11月まき、中間地の1~2月まきに適しています。昨年は徳島県、千葉県で少量試験栽培を行い、商品化いたしました。現在、各産地で2年目の試験栽培を行っている状況です。 「TCH-711」は、割れにくくて収穫性にすぐれた品種です。暖地の12~1月まき、中間地の2月まきに適しています。 「TCH-712」は、しみ症に強く、色肌ツヤのよい品種です。6~7月は気温が高く梅雨時期のため、特にしみ症の発生が懸念されるので「TCH-712」「向陽二号」が適しています。 |
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●冷涼地夏~夏秋どり | |||
北海道を中心としたこの作型は、晩抽性、収穫性、店もちのよさが重要です。収量性に関しては、肥大性はもちろんのこと、しみ症などの根部病害に強いこと、割れないこと、クズが少ないことが高い歩どまりにつながります。5月まきの夏どりは晩抽性と店もちにすぐれる「向陽二号」、5~6月まき夏秋どりには「TCH-756」がおすすめです。 「TCH-756」は晩抽性と割れにくさ、高い歩どまりを目標に育成していきます。北海道で3年目の試験栽培を行っており、2年目までの結果では、晩抽性が安定していること、肥大性にすぐれ、割れが少ないことを確認しています。 2015年は、初夏どりから夏秋どりまで試験を拡大継続中です。 |
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※「TCH-711」「TCH-712」「TCH-755」「TCH-756」の育成品種は現在試作展開中の品種につき、通販や一般販売はしておりません。ご了承ください。 ※成分データは全て当社調べ(成分の数値は栽培条件により変動する可能性があり、栽培での結果を保障するものではありません。) |
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ファイトリッチシリーズ | |||
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