アザミウマは近年、被害が著しい重要病害虫の一種とされています。作物も野菜だけでなく花卉・果樹など広範囲にわたり、以前は食害が問題になっておりましたが、現在は食害だけでなく「黄化えそ病」や「退緑黄化病」などの媒介にもなるため、問題が非常に深刻化しています。そのため、体長1mm弱のアザミウマの侵入を防ぎウイルス病の発生を抑える対策が必要になっています。
アザミウマ等の微細病害虫の侵入を防ぐ対策として、従来ではネットの目合いが細かい防虫ネットの展張を紹介していました。
アザミウマ類の侵入を防ぐためには0.4mm目合いでも防除困難といわれているだけでなく、どうしても通気性の問題がありトンネル内部や施設内部が高温になってしまう傾向にありました。 |
一般的に昆虫が認識できる可視領域の波長は250~600nmといわれているため、620nm以上の赤色領域を使用することで光の波長がある程度制限され、アザミウマ類にはサンサンネットe-レッドは黒っぽい幕のように感じられ、内部が認識できずに侵入しづらいというメカニズムが考えられています。
神奈川県農業技術センターにて、キャベツの育苗期間での比較調査を行ったところ、0.8mm目合いの白色(サンサンネットソフライトSL-2700)に比べ、0.8mm目合いの赤色(サンサンネットe-レッドLR-2700)はネギアザミウマの寄生頭数が半分以下となりました。
また、キュウリ栽培の盛んな群馬県でも、1mm目合いの白色(サンサンネットEX-2000)、0.4mm目合いの白色(サンサンネットソフライトSL-4200)を張り比べ調査したところ、サンサンネットe-レッドSLR-2700は作期を通じて0.4mm目合いの白色ネットと同等の侵入抑制効果が得られました。さらに、黄化えそ病の発病株率も1mm目合い・0.4mm目合いの白色ネットより低く抑えられる結果となりました。このほか、全国各地の使用圃場でアザミウマ類の被害の低減効果が確認されています。
「赤色のサンサンネットe-レッドを使うことで、作物に影響は出ますか?」といった、お問い合わせをよくいただきます。たしかにサンサンネットe-レッドは通常の白色防虫ネットに比べて遮光をします。 |
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サンサンネットe-レッドは0.8mm目合いでも、0.4mmの白色ネットと同等のアザミウマ類への侵入抑制効果があるだけでなく、従来のアザミウマ類対策の0.4mm目合いよりも通気性確保のメリットもあります。導入施設では0.4mm目合いのネットに比べて褐斑病の発生も少なくなったという事例もあります。
また、既に防虫ネットを使用している圃場・施設であれば作業負担自体は従来のネットと変わらないため非常に導入のしやすいネットとなっています。
防虫ネットだけでは圃場・施設内に害虫の侵入を100%防ぐことは難しいですが、アザミウマ類への防除効果や侵入抑制効果などの機能を併せ持つサンサンネットe-レッドは、農薬散布の回数を抑えるとともに、多様な環境の圃場・施設に簡単に導入できる資材となり、この先のアザミウマ対策への”基幹”となる資材として期待できます。
品番 | SLR2700(アルミ格子ライン入り) | SLR3200(アルミ格子ライン入り) | ※ご希望のサイズに合わせて 縫製加工も承ります。 ※施設内では換気扇や循環扇との 併用をお薦めします。 |
規格(巾) | 0.9m・1.35m・1.5m・1.8m・2.1m | 0.9m・1.35m・1.5m・1.8m・2.1m | |
長さ | 100mロール巻き | 100mロール巻き | |
目合 | 0.8mm | 0.6mm | |
遮光率 | 約25% | 約30% | |
材質 | ポリエチレン(UV剤入り) | ポリエチレン(UV剤入り) |