宮崎・鹿児島両県は言わずと知れた畜産王国で、全国和牛能力共進会において第9回、第10回と2大会連続で団体賞を宮崎県が1席、鹿児島県が2席を受賞しております。平成26年2月時点で、肉用牛飼養戸数は宮崎県が7300戸、鹿児島県が9690戸、乳用牛飼養戸数は宮崎県が292戸、鹿児島県が212戸です。自給飼料の生産意識も高く、春夏作物はトウモロコシ、ソルゴーを中心にスーダングラス、ローズグラス、ミレット類、そして近年では飼料稲と多岐にわたり栽培されています。
輸入飼料の価格が、生産国のコスト上昇、円安で高騰する中で畜産経営の安定・向上を図るためにも自給飼料の増産は欠かせないものと言えます。今回は南九州における春夏作物のトウモロコシを中心にご紹介いたします。
南九州の作付面積は平成26年調査で、トウモロコシが宮崎県5340ha、鹿児島県が2390haで九州全体の約6割、ソルゴー宮崎県3390ha、鹿児島県1990haで九州全体の約5割となっております。 |
南九州における作付体系にあった当社の品種をいくつかご紹介をいたします。
KD641(RM114)
お馴染みのKD640と早退熟期は同じですが、よりボリュームがあり茎葉・雌穂のバランスが良い品種です。南九州でも5月、6月に降雨量が多く比較的低温時に発生する、すす紋病に対しても耐病性があるため良質のサイレージが安定的に確保できます。
KD671(RM117)
かつて大人気品種だったKD670の後継品種として位置付けて昨年より販売しております。初期生育が良く、このクラスとしては大型の草姿で雌穂が大きく、茎葉部の収量性多いのでかつてKD670をお使い頂いていた方にも大変満足して頂いております。
KD731(RM123)
都城支店で一番売れている品種です。中生の品種ですが、3月下旬の早播きから6月上旬くらいまで播種できる、播種時期の幅の広い品種です。
草姿は、太茎・長稈、非常にリーフィーでボリューム感があります。雌穂も大きいので高いTDN収量が得られます。耐病性は、播種時期を3月下旬~6月上旬と書きましたが、実は二期作にも使われている農家さんがおられるのですが、二期作で問題の南方サビ病もでず、非常に好評を得ております。それ以外の紋枯れ病、ごま葉枯病等にも耐病性があります。
NS129(RM129)
この品種はかなり長く好評頂いている品種です。
晩成品種ですが、4月下旬からの播種も可能です。ただ、NS129の威力は二期作で発揮されます。稈長はそれほどでもありませんが、実際刈り取りしたときの収量にびっくりされることでしょう。それは、なんといっても茎の太さ、葉の広さ、雌穂も充実しているからです。二期作で気になるのがやはり秋台風ですよね。NS129がこれだけ長く支持されるのは、ガッシリした草姿で耐倒伏性に非常に優れているからです。
南九州において、平成26年は台風8号によるトウモロコシの倒伏被害、また7月下旬から8月中旬の長雨で二期作目の播種ができなかったりで収量減となってしまったところが多くありました。また平成27円は、4月上旬からの天候不順、6月に至っては記録的な降雨量となり、トウモロコシに限らず作物の生育には非常に厳しい自然環境となっております。
弊社では今後も、宮崎農場の圃場にて試験栽培を行い地域にあった新商品をご提案し、皆さまの自給飼料増産にご協力してまいる所存でございます。どうぞご期待ください。