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ニンジンの病害対策 |
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根の病気 |
最も問題になるのは根部が黒くしみ状になる病気で、多発すると収量が著しく低下してしまいます。発病根が混入したまま出荷すると、輸送中に病気が広がり、被害が拡大することがあるので注意が必要です。また発病部に亀裂が生じることで、裂根の原因にもなることがあります。
黒いしみを起こす病原菌は一つではありません。 |
【しみ腐病(病原菌:ピシウム)】・はじめ水浸状の病斑で、やがて直径3~5mmくらいの褐色水浸状になる。しばしば病斑中心部から縦の亀裂を生じる。
・春まき栽培の梅雨時期に収穫した場合に多発する。
夏まき栽培では降水量の多い年に多発しやすい。
【根腐病(病原菌:リゾクトニア)】
・水浸状病斑が生じ、やがて拡大して大型の病斑を生じる。
・病斑状に白色のくもの巣状にカビが生える。
・特に春まき栽培で発生しやすい。
・土壌中で菌核のかたちで生存し、新たな発生源になる。
【乾腐病(病原菌:フザリウム)】
・水浸状の病斑が生じ、皮目の溝に沿って徐々に拡大する。
・収穫後放置すると、密生した白色のカビが発生する。
・収穫1ヵ月前に過湿条件が続くと多発しやすくなる。
・土壌中で非常に長期間生存する。10年以上の場合もある。
菌密度を挙げないよう、被害根をほ場に残さないように心がける。
【対策】
ここで紹介した病気はいずれも土壌伝染病で、連作により多発します。
土壌の過湿により発生が助長されるので、排水性を改善することで発生度合いの改善が期待できます。良質の堆肥の投入や連作の回避など、日頃の土壌作りに心がける必要があります。 |
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葉の病気 |
【黒葉枯病(病原菌:アルタナリア)】
・褐色~黒褐色の小さな斑点が生じ、徐々に拡大して大型病斑となる。発病した葉は黄化しやがて枯れる。
・初期から発生すると、肥大が著しく悪くなるため注意が必要。
また、葉が離脱しやすくなり、機械収穫が困難になる。
・発芽60~90日以降の肥大期に発生しやすい。
この期間に雨天が続いたり、肥切れを起こすと多発する。
【対策】
薬剤による早めの防除を心がけます。ひ切れによって病気が冗長されますが、肥大期に入ってからの追肥は裂根を起こしやすくなります。元肥から追肥までの適切な肥培管理が必要です。 |
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株式会社トーホク
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